十一房珈琲店

エクアドル・ラ・ジヴリア・シドラ

ラ・ジウリア農園は、首都キトの西部にあるナネガリートと言う地域で営まれています。この地域は、近隣にアランビ自然公園やブルラワ植物保護区がある等、動植物の生態の多様性が豊かな環境です。また赤道直下ながらアンデス山脈の中腹に位置するため、標高が高く1年を通して冷涼な気候に恵まれ、コーヒーを始めとしてコーンやサトウキビ、果物など多くの農作物が育てられています。またこの地は年間を通じて降雨量が多い為、コーヒー豆の精製過程である乾燥方法は、天日で干せない為にビニールハウス内で行われるそうです。
ラ・ジウリア農園は、2010年に父親から娘のディルマさんが受け継いで現在に至っています。跡を継いだディルマさんは、この農園を娘の名前である”ジウリア”と改名し、サトウキビ中心からスペシャルティコーヒーの生産へと大きく転換させました。
さて、今回販売するのはシドラ種と言う品種です。
恐らく殆どの方にとって聞いた事のない品種なのではないかと思います。
それも当たり前の事です。シドラ種は、数年前にエクアドル発見されたばかりのティピカ種とブルボン種の自然交配種なのです。 “新種”と言っていいかと思います。
シドラ種は、既に今やコーヒー業界では注目されている品種となっているそうです。
シドラ種は、WBC2019で(ワールドバリスタチャンピオンシップ。決してボクシングの大会ではありません)優勝者と3位になったバリスタが、コロンビア産のシドラ種(ラ・パルマ・イ・エル・トゥカン農園で生産されたアナエロビックナチュラル製法)を使用して話題になったそうです。
正直言いまして無精な性格もあり、業界のトレンドやこういう大会系には疎く、僕もシドラと言う名前は今回初めて耳にした次第なのです。。
実は春先に、親しくさせて頂いている業者さんからラ・パルマ・イ・エル・トゥカン農園のシドラ種のサンプルを頂いていました。そのサンプル豆が、その様な話題のコーヒー豆だったと知らず、今頃その事を伝えると、
「ええっ!今頃ですか。。。私、話題性があり、結構良いのを選んでますよ。。」
とガックリされてしまいました。
貴重なコーヒー豆を頂いたのに、その意味も知らずにいました。誠に恥ずかしい限りです。
さてさて、実を言いますとそのシドラ種をエクアドル国内で最初に栽培したのが何を隠そうこのラ・ジウリア農園なのです。
ディルマさんの作り上げたシドラ種は、エクアドルの国内コンペティションで高い評価を受け入賞し、一躍ラ・ジウリア農園と共にシドラ種の名が知れ渡りました。そしてシドラ種はエクアドル国内に留まらずコロンビアを始め近隣諸国でも栽培されるようになり、WBC2019へと繋がって行ったと言う訳です。
これは、ラ・ジウリア農園の功績によるものと言っても良いのかと思います。
シドラとは、リンゴ酒を指すシードル(スペイン語ではSidra)を意味します。その名の通り飲んでみると、青リンゴや梨を思わせるような明るくすっきりとした香りを感じます。今回のコーヒー豆は、ブルボン種からくる甘さとボディよりはティピカ種からくるすっきりとした明るい風味が勝っている様に思えます。そして滑らかな食感があります。
それにしても、最近は新種のコーヒー豆を扱う機会が多くなりました。
前回のイエメニア、コロンビアのピンクブルボン、ホンジュラスのパライネマ、、
辛辣なスタッフが、
「ミーハーの新しもん好き。いい年こいて浮かれちゃって・・」
とブツブツ罵っているのが聞こえてきます。
多分空耳です。年を取ると聞こえなくても良いものまで聞こえてきます。
とにかくとにかく新しもの好きな方、リンゴ好きな方は、是非一度お試し下さいね。
最後に、
赤道直下に位置するエクアドルとは、スペイン語で正に「赤道」を意味しますが、この地が赤道直下ながらアンデス山脈の中腹に位置し、標高が高く1年を通して冷涼な気候に恵まれていると言う事は、サッカー好きな方ならピンとくると思います。
首都キトにあるエスタディオ・オリンピコ・アタワルパ・スタジアムは、W杯予選など国際大会の会場として使用される事で有名ですが、なんと標高2780mにあります。3000m近くとなると、酸素は地上の70%しかないそうです。ですからホームアンドアウェイで行われるワールドカップ南米予選では、ブラジルやアルゼンチンなどの強豪国でさえ、エクアドルに乗り込んで試合をしなければならないアウェイでのゲームでは、スタミナ切れを起こし、高地に慣れているエクアドル代表チームに苦戦を強いられます。
実際昨秋、来年開催されるワールドカップ南米予選についてのこんなニュースがありました。
「エクアドル代表は、10月8日の第1節(アウェー)でアルゼンチンに“疑惑のPK”で0-1と惜敗したが、5日後、堅守に定評があるウルグアイを4-2と粉砕。今月12日、標高約3700mの“地獄の高地”ラパスでボリビアに3-2で逆転勝ち。これだけでも十分すごいが、その5日後、FIFAランキング10位のコロンビアを(エスタディオ・オリンピコ・アタワルパ・スタジアムで)6-1と叩きのめした。コロンビアは、地元メディアと国民から“恥を知れ!!ふがいないにも程がある!”と叱り飛ばされている。」
コロンビアがサッカーの強豪国である事は、サッカーにあまる詳しくない方も、2014年と2018年のW杯で連続して日本と対戦した事で知っている方も多いのではないでしょうか。
2014年はコロンビアに1-4と完敗。優勝を目指すと息巻いていた日本代表の当時の主力達が、立ち直れない位ショックを受けていたのを思い出します。
2018年は日本が2-1と雪辱。エースのハメスロドリゲスが不調だったとは言え、興奮しました。
まあ、“あの”香川のPKと退場が大きかったですが、勝ちは勝ちです。
そんなコロンビアに6-1。
結果だけ見たら日本代表なんて手も足も出ないのではないかと思えてきます。
エクアドルがまるで地の利を生かしているから強いなんて思いそうですが、
「先進的な戦術を使うわけではない。相手ボールが自陣に入ってからプレスをかけ、守備ブロックを敷く。ただ、個々の選手のスピードとパワーが素晴らしく、球際が非常に強い。」
と評する専門家もいます。実際ワールドカップは既に3度の出場を果たしていて、今回の南米予選は現在3位につけているのですから、もはや素直に強豪国と言っても良いのではないかと思いますね。
にわかサッカーフアンですが、ちょっと熱が入り過ぎました。
そうそう、高地の話です。
そもそも高地で暮らすって大変なんですよね。
エクアドルではないのですが、昔テレビの番組で標高3000mにあるボリビアの首都ラパスの旅行記を見た事があります。
出演していたタレントさんは、まず高山病に悩まされて寝込んでしまい、体が順応するまでに数日を要していました。また町が山の斜面に作られているので、斜面の上の方の地域へ移動するにも、周りでは現地の女性やお年寄りたちがすいすい坂道を歩いている中、タレントさんは息も絶え絶えになっていました。
平地の70%の酸素量に、
「吸っても吸っても空気が入って来ない!」
と喘いでいました。
私事ですが、いつか行ってみたい憧れの地が月なのですが、もう少し現実的に地球上で言ってみたいところの一つが、「最後の桃源郷」と言われるパキスタンにあるフンザです。
フンザは、宮本輝さんの小説「草原の椅子」を読んで知りました。宮本輝さんの表現力の豊かさに引き込まれ、読みながら「風の谷のナウシカ」のモデルとなったと言われる山々に囲まれた美しいフンザの景色がありありと頭の中に浮かんできて、読み終わる頃には「いつか行ってみたい」と憧れる様になりました。宮本輝さんの小説の舞台は、どれも魅力的な所ばかりで、その全ての地に憧れを抱いてしまいます。
フンザについて、ガイドブックにはこの様に書かれています。
「桃源郷と謳われ長寿の里としても知られるフンザは、かねてから旅行者の憧れの地。イスラム教イスマイール派を信奉し、のどかな谷に暮らすフンザの人々の優しさも印象的です。春は薄紅色の杏、夏は深緑の木々、秋は黄葉のポプラ、冬は白雪に覆われた山々と、季節折々の美しさを見せてくれます。フンザの中心地カリマバードからは、ウルタル、ラカポシ、ディランなど、7,000m級のカラコルムの山々も展望することができます。」
どうですか、ワクワクしてきませんか。そして是非、ネットでフンザの景色をご覧になってみてください。
ですが、、
「フンザへのアクセスは、空路で首都イスラマバードから飛行機で最寄りの空港ギルギットあるいはスカルドゥまで飛んだのち、バスでカリマバードまで目指します。しかし、便数も少なく、ちょっとした天候不良で欠航しやすいため陸路を選択する人も少なくありません。陸路の場合はなかなかハードで、イスラマバードからギルギットまで直通バスで所要16~20時間。土砂崩れしやすい崖道が多く道路状況次第でそれ以上かかることもあります。」
最後の桃源郷への道は容易くはないのです。
よりによって僕は三半規管が弱く、早朝など寝不足で乗り物に乗るだけで直ぐに気持ち悪くなる位直ぐに乗り物酔いをしてしまうんです。
陸路で向かう道は大変険しく、何日もかけて悪路を車で移動するそうです。「草原の椅子」でも、揺られる車の中で天井に頭を打ちながら進むシーンがありました。そしてこのルートは、平均標高4500mとも言われるカラコルムハイウエー。前回投稿したボリビアの「ユンガスの道」を彷彿とさせる悪路なのです。
間違えなくゲロゲロです。
ゲロゲロの上に、高山病にも見舞われヘトヘトの酸欠です。
こんなやわな僕では生きては帰れないかもしれません。。
ですからもし仮に、かの前澤さんと仲良くなって
「月に連れて行ってあげよう」
なんて言われる奇跡が起こっても、NASAの訓練でゲロゲロになって、
「あ、君、もう帰っていいよ」
と引導を渡される事請け合いです。
切ない。
行きたくても行けない。
会いたいのに会えない。
好きなのに振り向いてくれない。
会いたい時に貴方はいない。
感極まり泣きそうになりながら、改めてネットでフンザの写真を眺めては、ため息交じりに憧れの想いを強くしています。
人生って、ままならないものですね、、
それではまた。
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Author:cafebechet
1978年創業の自家焙煎ネルドリップの珈琲店です。真空管アンプからjazzが流れ、静かで落ち着きのある大人の雰囲気です。注文を受けてから一杯ずつ丁寧に時間をかけ抽出します。珈琲の持つ甘味や風味といった旨みを味わって下さい。

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